企業の持つ倫理的責任とは??
消極的CSRの経済的責任と法的責任の説明をしました。
それでは積極的CSRの倫理的責任とフィランソロピー的責任とはなんなのか?を書いていきたいと思います。
まず一つ目の倫理的責任とは何なのか?
倫理的責任とは法などの義務によらず、宗教や社会通念によって社会的に共有される価値観によって推奨される責任のことを言います。
例えば
・グリーン購入
(様々なものを企業が購入する際に、環境的負荷の少ないものを選択して購入すること、ただ最近ではグリーン購入法という法律もできているので一部、法的責任にも入るかと思います。)
・メセナ・パトロネージなどの芸術活動支援
(パトロネージとはパトロンの語源になる言葉で、メセナもパトロネージも財政的に芸術・文化を支援することですが、パトロネージは個人的支援と捉えた方が良いかと思います。)
・NPO・NGOなどへの片務的貢献・寄付
・高度のヒューマンリソースマネジメントなど
なぜ、NPO・NGO支援やメセナ・パトロネージが企業の責任なのか?と疑問に思うひとも多いかと思いますが、芸術や文化、社会的弱者や障害のある人々をサポートすることは古くから経済的な力を与えられた責任とされてきました。
ヨーロッパでは貴族階級の人々は積極的にこの活動を推進して今日の西洋文化が維持されています。
日本においてもそれは古くから同じで、タニマチと言う角界のスポンサーも同じようなものです。
また、神社や仏閣への寄付や寄贈も企業は積極的に関与してきました。
多く与えられたものは、個人や企業の倫理観のもとそれを分配して社会の幸福に寄与すると言う価値観は一般的でしたが、残念ながらこの大事な価値はどんどん希薄になっているのが現在だと感じます・・・・・・
個人の権利や利益にばかり目をやる風潮が、義務や責任から目をそらして捨ててはならないものを捨てているようでとても残念に思います。