故繊維加工業・・・・・ウエス編

故繊維加工業の話が思ったよりたくさんあるので少し長くなりそうです。

 

古繊維(古着)と繊維屑を再生、再利用するために集めて加工するのが故繊維加工業だと説明してきました。

 

そして、現在ではその再生のための原料収集の生業からシフトしてウエスの製造と反毛業者への商品卸、そしてアジアを中心にリユースとして古着を輸出するというのが中心の事業となってきています。

 

では、ウエス?反毛?古着輸出って?について書いていきますね。

 

まずはウエスですが、これも聴き慣れない言葉だと思います。

 

造船や船乗り、大工さんや印刷業などをされている方は見たり使ったりしたことがあるかと思いますが、こんな感じです↓

 

 

www.monotaro.com

 

最近ではモノタロウさんでもこんな感じで売ってるんですね!

 

エスは簡単に説明すると雑巾です。

 

機械などについて油や汚れを拭き取るために使います。

 

昔の日本は当然のように着物を雑巾にして最後まで使っていましたが、それと同じです。

 

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このウエス、実は有効活用という側面もそうですが機能性という側面でも優れています。

 

エスは機械の油を拭くためによく使われます。

 

油拭きにとって重要な要素。

 

それは吸油性の高さです。

 

布なら大体同じではと思う方も多いかもしれないですが、そんなことはないです。

 

新品のタオルと使い古されたタオルで水を吸う力が全く違うという経験した人は多いと思いますが、あの原理と同じです。

 

新品の布は結構油ぶんを含んでいます。

 

その油ぶんが吸水の妨げになことと繊維自体も硬くつまっているので吸水しにくくなっています。

 

これに対して使い古された布は油分が抜け繊維がほぐれて非常に吸水(吸油)に飛んだ状態になっています。

 

昔の人はこんな性質も上手く使っていたんですね。

 

しかもこのウエスという商品ですが、戦前昭和10年ごろには日本の輸出商品の花形(輸出統計の10位前後)にもなっていたようです。

 

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すごいですね〜〜〜〜

 

でもこのウエスが産業として成り立ち輸出の花形になった背景にはこのウエスが産業需要で伸びただけでなく軍需需要として伸びたという側面も大いにあります。

 

まぁこれは故繊維の産業に限らず、多くの産業が軍需として大きくなったという側面があるのも事実です。

 

もっと言うと科学の発展は平和利用よりも敵を倒す戦うといった側面で発達してきていると言うことはしっかりと認識しておかないといけないようにも感じます・・・・・・

悲しい事実です・・・・・

 

では次回は反毛について書いていきますね。