故繊維加工業が斜陽化した理由③
故繊維加工業が斜陽化した理由のもう一つは反毛企業の衰退です。
反毛と言う事業を知らない人も多いと思いますが、反毛とは一度製品化された古着を繊維状に戻して再製品化する技術です。
さらに反毛をフェルト(シートのような形状のもの)へ加工することが反毛だと思っている人も多いと思いますが、実はそうではないです。
反毛技術自体は製品を綿上に戻すことをいい、そこからのようとは様々に存在します。その一つがフェルトです。
初期の反毛はウールだけではなく綿も反毛の対象でした。
綿を反毛して繊維に戻しそこから再度製品に戻すと言うことが実際に行われていた時期があります。
日本に私の知る限り2台の綿反毛ができる機会が残されていますが、残念ながら実際に動いているものはゼロです。
なぜかというと綿反毛は性質上非常に引火しやすくちょっとした静電気等で引火して火事になることが非常に多かったそうです。
そんな理由から現在はこれを事業としてやっているところはないです。
現在では反毛はウールもしくはウールの混紡繊維を加工するものが大半です。
そしてこの反毛はどこに使われているかと言うとフェルトにして車のエンジンルームなどに防音材として使われています。
一昔前ではカーペットのしたなどにも使われていましたが、現在では衛生上の問題や防火上の問題でほとんど使われることがなくなりました。
そして、これも失われつつある技術ですが、50〜100%ウールの素材は再生繊維として使われることが実はあります。
反毛についてもう少し書きたいので次回に。